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2005.02.21

「ハンディキャップ」の語源と「障害」というコトバ

障害者」も「健常者」もいい言葉ではないですよね・・・。
私が特に嫌いなのは「健常者」。
でも、「健聴者」の「健」は取れるけど「健常者」の「健」は取れないですもんねぇ・・・。

「障害者」という言葉を私は「たくさんの乗り越えるべき障害があるヒト」という意味で捉えています。

世の中がバリアフリーになれば「障害者」はいなくなるなぁと。
例えばろう者などは「情報」取得に壁があります。
目が見えないヒトにとっては、駅の切符を購入するときのタッチパネルは、凹凸がないので「障害」になります。
点字ブロックに自転車を止められたりするのも、歩くのに邪魔ですから「障害」になります。
階段ばかりでエレベーターが設置されていないと、車椅子利用者にとっては出歩くための「障害」になります。
そんな「障害」があるヒトと思って使っています。

で、ハンディキャップなのですが確かに語源が「Hand in cap」だとい言われています。
ただ、施しを受けたいために帽子を持っているという意味で「Hand in cap」ではなく、イギリスの競馬用語で、騎手の体重と馬具の重さを決めるといった、クジ引きの方式で、帽子の中に手を入れる事を「Hand in cap」というのが語源という説が有力です。
そのくじによって、馬具の「ハンデ」が決まることから現在「ハンディキャップ」と言われているのです。

「手に帽子を持つ」は英語の文法でいくなら「Cap in Hand」じゃないとおかしくないですか?
誤訳したものが俗説として広がり、「手に帽子を持つ人」が由来だから「差別用語」だと言う方もいますが、「ドリビアの泉」で言うところの「ガセビア」かな・・・と思っています^^;;

イギリスの競馬が語源だから、ゴルフという「紳士のスポーツ」にも使われる言葉なんじゃないでしょうか。
「ハンディキャップの計算」をするのは、日本だけのルールではありませんから・・・。

以前パラリンピックの選手数名とお話する機会があったとき、「ハンディキャップ」というコトバをどう思うか伺ったところ、みなさん差別用語だと思わないと言っていました。
ろう者や視覚障害の友人にも同じコトを聞きましたが、差別だと感じないそうです。

実際、「日本ハンディキャップテニス連盟」や「ハンディキャップスキークラブ」など存在しますし、ゲームをするときに「あなたは強いからハンデをちょうだい」など使いますよね?

ホテルなどで、「ハンディキャップをお持ちのお客様へ」などという張り紙などを見かけますが、私は「ハンディキャップを持っているとはどういうことか」を聞いたことがあるのですが、「骨折して松葉杖をついていたり、車椅子だったり」の恒常的な障害者じゃなくても含まれるそうです。
そういった意味で「障害をお持ちの・・・」ではなく「ハンディキャップを・・・」という表記をされているとのことです。

そんなことから、私は「ハンディキャップ」を差別用語だとは思っていません。
逆に「ハンディキャップ」の語源「Hand in cap」を日本人的に誤って訳してしまった俗説が広がって、差別用語だと思われることを悲しく思います。

ろう者のことを「耳が不自由なヒト」と言う人がいます。
理由を聞くと「ろう者」という言葉が差別だと思い込んであえて「ろう者」という言葉を避けているというヒトがいます。
でも、当のろう者は「ろう」という文化に自信をもっていたり、生まれ変わっても「ろう」がいいと言う人もいます。

手話で「アイヌ」を表すと「差別表現だ」といわれたという話が木村晴美さんのブログ「ろう者で日本人で・・・」にありますが、当のアイヌの方は差別と感じていないなら、差別じゃないと思います。

「精神分裂症」という病名が「分裂」じゃ誤解を招く、この病名を変えてほしいという患者の家族の要望で「統合失調症」と変更されました。
だから私は「精神分裂症」というコトバは使わないようにしています。
では、「統合失調症」と言ってどれだけの人がその病気を理解できるかというとなかなか厳しいです。
結局、「今は、統合失調症以前は精神分裂症と言った」と補足をつけることになります・・・。
こっちのコトバの方が、多くのヒトに浸透してほしいなと思います。
当事者やその周辺の方が「分裂」というコトバを嫌がっているのですから。

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コメント

「障害」という言葉を「障碍」っていうことばに置き換えてる団体、サイトもありますよね。目が見えない、耳が聞こえないってことは、本人にとっては何らかの妨げにはなるだろうが、他人に害を成すものではないって考えからでしょう。

当の本人が差別だと認識しない言葉は差別用語じゃないという考えには、僕も賛成です。だけど、例えばすべてのろうあ者が「ろうあ者」という言葉を差別じゃないって感じているかどうかって言うと、もしかしてそう言われたくないって人もいるかもしれませんね~。難しいです。

こういう問題って、大きく広げていけばいくほどわからなくなってくるので、その場その場で相手が不快に思う表現を変えていくしかないのではないかって気もします。

投稿: non | 2005.02.21 12:53

★ nonさん
そうそう!
一度聞きたいと思っていたのです。

東日本じゃ「ろうあ者」ってあまり言わないんです。
「ろうあ者大会」みたいな名称では残っていますケド。

「ろう者」っていうのが一般的。
どうしてかというと「あ」は「唖」で話せないヒトだから、ろう者の中には、聴こえないけど話せる(声を出せる)ヒトが多いので「あ」はつけない・・・っていうのが関東では多いように思います。

でも、西日本では口話でも文章でも「ろうあ者」って言いますよね。
関東では「ろうあ者」っていうと嫌がるろう者が多いと思いますが、「ろう者」を嫌がるろう者はあまり見ないというか、私は会ったことがないですね・・・。
(難聴者にろう者と言って嫌がられたことはありますが・・・。)
西日本方面では「ろう者」という言い方はあまりしないのでしょうか?

投稿: ドシル | 2005.02.21 14:02

へえ×10!

そうなんですかあ。勉強になります。

ことばって、むずかしいですね。差別をなくそう!という気持ちは、みんな同じはずなのに・・・。


★「障害者」という言葉を私は「たくさんの乗り越えるべき障害があるヒト」という意味で捉えています。★


ああ、そういう捉え方もできるんだなあと、思いました。

ドシルさんの記事読んで、とあるできごとを思い出しました。長くなるので、これは記事に書くとして。

横浜に行くときは、ぜひお会いしましょう!

投稿: おじょうひん。 | 2005.02.21 15:59

★ おじょうひん。さん
10ヘエありがとう^^;
金の脳もらえるかしら・・・。

そういえば何回か前のトリビアで手話の「青」の語源が取り上げられていましたね^^;

「ハンディキャップ」についてはもっと昔の18世紀頃の英国でのパフで、その日の飲み代を帽子に入れたとか何とかそんな逸話もあるらしいです。

ちなみにゴルフのメルマガでは、↓のように「ゴルフ用語のハンディを紹介していました。
http://www.melma.com/mag/35/m00010735/a00000172.html

投稿: ドシル | 2005.02.21 19:10

経験も浅いし、まして西日本を代表して言えるわけではありませんけど、人によっては「ろう者」と言う人もいます。ただ、手話表現は「ろうあ者」だったと思います。

コトバとしては、「ろうあ者」の方をよく使いますが、それでトラブルが起こったという例を僕は聞いたことがありません。

投稿: non | 2005.02.21 19:42

★ nonさん
やっぱり「ろうあ者」を多く使うんですねー。
ありがとうございます。

日本列島、どこで「ろう者」に変わるんでしょうね^^;
「ろうあ者」といったからと言って「トラブル」というお話は私も聞いたことがないのですが、むかーしろう者に「”あ”は付けない方がいい」と言われた記憶があります。

個人の意見なのか、地域的なものなのか定かではありませんが、関東では「ろう者」が主流ですね。
でも、HPやBlogを見ていると西日本の方は「ろうあ者」って表記していて、先日の討論集会でも「ろうあ者」って通訳していたので、面白いなぁと思っていたのでした*^^*

投稿: ドシル | 2005.02.21 23:14

ドシルさん、10へえは少なすぎた。100へえのつもりでした。
メロンパン入れで(笑)

名古屋は「ろう者」かな。「ろうあ者」はほとんど聞きません。あまり、意識したことはありませんが。

カウンターの件、参考にさせていただきました。
ありがとうございました。

投稿: おじょうひん。 | 2005.02.22 00:39

★ おじょうひん。さん
ブログ軽くなりましたね~。
おめでとうございます*^^*

名古屋あたりは「ろう者」が多いのかな???
う~ん、いつかどこが境なのか調べてみたいです~。
これって、「トリビアの種」になりますかねぇ・・・^^;

おじょうひん。さんのところの記事にも関連するかなと思うのですが、
ドイツに留学しているろう者のRaumさんに、「ハンディキャップ」も含めた「言葉」について、ご意見をうかがたっところ、Raumさんのブログに記事を書いてTBしてくださいました*^^*

ぜひぜひご覧ください。
http://deutschland-natsuko.cocolog-nifty.com/raum/2005/02/post_1.html

投稿: ドシル | 2005.02.22 16:33

↑トリビアの種になるかも。

Raumさんの記事、拝見しました。
同じテーマで、いろんな人が、その人自身のことばで表現して交換できるって、いいですね。すごいですね。
大変参考になりました。ありがとうございました。
なんだか、最近ドシルさんにお世話になりっぱなしです・・・感謝です。

投稿: おじょうひん。 | 2005.02.22 18:30

えぇっと、はじめまして。愛知に住む「ろう」です。
生まれた時から全く聞こえません☆

んと、私の周りの表現は、「者」を付けずに、「ろう」とだけ表すことが多いですねぇ。

差別かどうかは、問題を問題として捉えているか否かというのも関わってる部分もあると思います。

それではそれでは、またのぞきに来ます♪

投稿: mm | 2005.02.23 05:52

★ おじょうひん。さん
お世話になるのはお互いさまです♪
これからもどうぞよろしくm(__)m

BlogのTBやコメントは同じテーマで話すのに便利ですよね。
その辺りが、BBSやチャットと違って面白いなと思います。

Blogをはじめる前は、BBSとどう違うのかどこにメリットがあるのかわからなかったけど、役割の違いを感じる今日この頃です^^;

★ mmさん
はじめまして*^^*
コメントありがとうございます。

言われて納得。
確かに手話だと「ろう」だけで「者」に当たる「人々」は言わないですね。
でも、通訳するときは「ろう者」って言っちゃうなぁ・・・と、気がつきました。

なるほど。
また何か気がついたことがあったら教えてくださいね。

投稿: ドシル | 2005.02.23 12:44

私の両親は聴覚障害者です。ただし私の父は聾唖で聴覚障害では1級になります。母は言葉は発することがとりあえずできるので、聴覚障害だけの2級になります。戦前は、あまり聾の子供は学校に行かれなかったこともあったり、発語教育を自宅でもしていなかったりということで、唖者がいるようです。実際、父は唖者であり、あまり文章も得意ではありません。
手話通訳等で高齢の方と接しても、独特の手話表現だったり、唖者の方が多くて、話が通じない奴だと言われることもあります。
社会的に不自由なので、私はやはり敢えて「害」という感じを使って欲しいと思います。そうでないと、結構その家族の負担は大きいので・・・

投稿: おっち | 2011.03.07 17:51

sunおっちさん
コメントありがとうございます。
ご両親がおいくつかわかりませんが、年配の方には日本語が苦手な方が多くいらっしゃいますよね。

「害」を使って欲しいというのは「ろう者」という言い方では困るというご意見でしょうか。
それとも最近流行の「障がい者」と仮名表記する件へのご意見でしょうか。
なにぶん、この記事自体2005年のものですので書いた本人(私)が、当時これを書こうと思ったきっかけさえもはっきり思い出せないでおります。
いずれにしてもコーダであるおっちさんの貴重なご意見かと思います。

投稿: ドシル | 2011.03.07 23:07

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