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2005.05.20

病院ボランティアの思い出

20代前半の頃、都内の大学病院の小児科で病院ボランティアをしていたことがあります。
病院ボランティアは今でこそ、結構メジャー(?)なボランティアで、病院の待合室で、診察予約などする機械の案内をしたり、入院患者さんたちのための図書の管理をしたり、様々なボランティア活動があります。

病院ボランティアをしていた頃、私は精神対話士の勉強をしていました。
カウンセラーの資格は臨床心理士を筆頭に多種多様にありますが、精神対話士もそのひとつで、病気になった方の話し相手をすることを主としたカウンセリング・・・というイメージです。
慶應大学付属病院のドクターたちが主となってできた資格でした。
ヘルパー2級と精神対話士と教員免許(養教と国語)・・・それが私の持っている資格でした。
そんな私は小児科内に設置された院内学級のような場所のお手伝いをしました。
子どもたちと遊んだり、絵本の読み聞かせをしたり・・・。
みんなが元気なときは、いいのですが大学病院の小児科なので難病を抱えた子どもいます。

ある時、いつものように子どもたちと遊んでいるといつもなら顔を出す13歳の女の子の姿が見えません。
彼女は白血病で、抗がん剤治療をしていました。

気になったので、彼女の個室へ行きました。
入り口で手をエタノール消毒して、院内感染防止用の白衣に着替えて頭髪も帽子で隠して入室します。
彼女は真っ白な顔をしていました。
「少し頭が痛いけど大丈夫・・・。」と笑っていました。

そこで元気だった頃のこと、元気になったら学校でしたいことなんかを少し話したのを覚えています。
私は、彼女とどれくらい話したのか覚えていません。
たぶん10分とか20分だったと思います。

その後、いつものようにプレイルームで小さな子どもの相手をしたんだと思います。

それから7日後。
いつものように病棟へ行くと、彼女の部屋は空き部屋になっていました。
もちろん、退院したわけではありません。
将来の夢がいっぱいの13歳の未来・・・。
それがたった1週間で消えてしまうのが、信じられませんでした。

小児科でのボランティアは筋肉痛の連続でした。
いつも親と離れている子どもたちは愛情に飢えています。
一番母親に甘えたい時期に、家にも帰れず毎日お母さんが来るのを待っている子もいます。
だから、1人を抱っこしてあげるとボクも私もと大騒ぎ。
順番に抱っこしてあげて、私は筋肉痛でクタクタになります。
それでも、夕方お母さんが病院に来ると嬉しくて嬉しくて今度は、私になんて見向きもしない(笑)。
私には向けられないような、満面の笑みでお母さんと一緒にいられる時間を楽しみます。

本当に自分の非力さを痛感しました。
どんどん消えていく小さな命。
小児病棟でも、隣の病棟は比較的軽い病気の子が多いので元気に退院していきます。でも難病や大きな病気を持った子どもたちが多い病棟ではそうは行きませんでした。

私がいた病院は、子どもたちが勝手に他の病棟にいけないようにドアが2重になっていて、自分の病棟内は自由に歩けるけど他の病棟にはいけないような工夫がされていました。
子どもたちにとって、あの病棟が世界のすべてでした。

本業が忙しくなり、病院ボランティアへ行くこともなくなりました。
それでも、なんだかんだと4年くらい通っていたでしょうか・・・?

仕事が忙しくてしんどくなると、あの子たちの顔が浮かびます。
一生懸命生きなくちゃいけないな・・・って思います。
何ができるのかわからないけど、誰かの役に立とうなんて大それたことは思わないけど、一生懸命生きてやりたいことをやって人生まっとうしよう!と、思います。

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コメント

なんだか、自分のちっちゃい頃をみてるような日記でした。
私も持病持ち(本サイト参照)なので、今も病院はきっても切れません。
ですが、小児科の中では比較的高学年になってくると、患者なのに、幼児の子守り?をさせられたのでした。

投稿: きよきよ | 2005.05.20 11:57

★ きよきよさん
改めて・・・お誕生日おめでとでした☆

子どもの病棟で幼児の相手していましたか・・・。
いつも一緒にいる「おねえちゃん、おにいちゃん」にやっぱりつい甘えますよね。
時々しか来ないヒトより子どもたちにとっては頼もしいのもあるんだと思います。

実は私も子供の頃大病(誤診だんだけど)をして3ヶ月くらい入院したことがあります。
私はそのときの体験で、看護見習いさんは好きだけど看護婦(当時)さんは嫌いになりました^^;;;

投稿: ドシル | 2005.05.20 16:36

最初は、ドシルさんいろいろ資格持っててスゴイなぁって思って読んでたんですけど・・・

なんだか、進むにつれ胸が熱くなりました。
私は大病もせずここまで育ってきました。本当にいろいろ考えさせられるお話でした。

投稿: みきぼう | 2005.05.23 22:53

★ みきぼうさん
資格はそんなスゴクないですよ^^;
講習受講や学校で履修すれば取れるような資格です(>_<)

難病の小児病棟って、かなりキツイです。
精神的に・・・。
当たり前の日常の中で、忘れてしまうのですが今も、そういう子どもたちがいるんですよね。
子どもだけじゃないんだけど。
自分が死ぬとき、「良い人生だったな」って思えるようにがんばりたいです。

投稿: ドシル | 2005.05.24 10:19

病院ボランティアを検索していてドシルさんのBLOGに出会いました。私は以前、手話通訳者派遣協会長として某市の手話奉仕員派遣制度を受託運営していたことがあります。また、子ども達は健やかに育ってほしいと常に思っていて、チェルノブイリ原発事故での被曝児の医療支援もしてきました。今は、某病院でボランティアコーディネーターを担当しており、昨年、小児病棟ボランティア活動を新たに立ち上げたところです。
明後日から今年のボランティア講座が開講します。まだまだ人数が少ないので少しでも多くの方に参加してほしいし、できればドシルさんのような方がきてほしいと思った次第です。
これからも時々お邪魔させていただきます。(今日は、自宅の妻のパソコンからメールさせていただきました。)

投稿: kei坊 | 2005.06.12 16:08

★  kei坊さん
コメントありがとうございます。
山口県の方ですか!
なんだか今年は山口県の方に縁があります。

手話通訳者派遣協会長のご経験があるんですね。
さらに小児病棟ボランティア活動ですか・・・頭が下がります。

病院ボランティアの中でも特に、小児病棟はいろいろな気配りが必要ですよね。
わたしがやっていたころは、研修なども充実していませんでしたが、最近はボランティア入門等いろいろな講習がありますね。

手話通訳派遣のコーディネーター同様、ボランティアコーディネーターさんも大変だと思います。
まだまだ日本では、「ボランティア」=「無料奉仕」のイメージがあり無責任なヒトも少なくないのが残念です。

投稿: ドシル | 2005.06.12 19:08

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