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2007.02.28

いろいろ考えた。

今年のアカデミー賞の授賞式が終わり、このブログに「菊地凛子 手話」とか「バベル 受賞 反対」などで検索してくる方が、ここ数日目立ちます。

私は「バベル」を観ていません。
菊地さんがろう者役をどう演じているのかにも、あまり興味はありません。
機会があれば、観ようとは思いますが映画館で観ることはないかな・・と思います。

菊地さんの助演女優賞受賞にろう者が反対していた、というのは事実です。
その話が広まっているから、上記のような検索が増えているのでしょう。
でも、ろう者の中にも「女優の仕事は演じることだから、ろう者を演じる聴者がいてもいいんじゃない?」という方もいます。

日頃、ろう者と関わっていない人たちにはなぜ、こんなことになっているのか理解できない方が多いのかな・・と思います。
多少なりとも、ろう者と関わっている私でさえ、「デフユニオン」のメッセージを読むまでは深く考えてはいませんでした。

根底には「異文化」があるのだと、私は思います。
同じ日本人でも、聴こえる文化と音のない文化で考え方も感じ方も大きく違う面があると思います。

役者さんは「演じる」ことが仕事なので、様々な役に挑戦するでしょう。
例えば、病院を舞台にしたドラマ、弁護士を主人公にしたドラマなど特定の業界にスポットを当てたドラマも少なくありません。
その場合、その業界の方は「あんなこと、実際の現場ではありえないよ~」と苦言を呈することがあっても、「事実と異なる」と社会的に問題になることは殆どないと思います。

今話題のドラマ「華麗なる一族」でさえ、「あの時代にあのヘアスタイルはありえない」と、いう意見がでているほどです。

職業の場合、問題がないのに今回、聴者がろう者を演じたことが大きな話題になったのはなぜなのでしょう?
試写を観た聴者は、「菊地さんは本当に聴こえないみたいだった。スバラシイ演技」と評価し、ろう者たちからは「手話もイマイチ・・・ろう者には見えなかった」という意見を多く聞きます。
そこには異文化が根底にあると思います。

判りやすい例を挙げると、あるハリウッド映画で中国人女優が日本人の役を演じて、アカデミー賞にノミネートされたとします。
日本人には日本語の発音もお化粧やしぐさも、到底日本人には見えなかったけれど、日本人以外からは「すばらしい演技だった!」と高評価だったとしたら、私達日本人は、「え~っ!!!」・・と、思うかもしれません。
「あんなの日本人じゃないよーーー」「日本人の役は日本人にやらせてよ~」という意見が多数でるかもしれません。
その逆もまたしかりで、どんなに有名な日本人女優が中国人(韓国人でもいいけど)の役を演じても、その国の方が見て、納得できることはなかなかないのではないかと思います。

私は、そういうことなのだろうと思います。
菊地凛子さんが出演する作品は、観たことがありませんが、各種マスコミの報道によると、役者としてのプロ意識が強い方なのだという印象はあります。
でも、彼女が演じた「ろう者」はろう者から見ればろう者に見えなかったのでしょう。
それは、それぞれ基本となる文化が違うのだから、当然といえば当然なのかもしれません。

私は手話に関わっているとはいえ、聴者文化の人間です。
もし、私が「バベル」を観たら彼女の演技を観て「ろう者みたい」と思うのかもしれません。

そう見えたなら、まだまだ勉強が足りないということでしょうね。
ひびしょうじんです^^;;

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コメント

なるほどね~。わかりやすい例えだと思います。

私の友達(ろう)は見たいって言ってた。
ぜひ、感想を聞きたいものだわ。
でも日本で公開される時には忘れてるかも・・・

投稿: みきぼう | 2007.03.03 23:08

★ みきぼうさん
え?解りやすい例えだった?ありがとー。
色々考えた甲斐があったわ~。
観たいっていうろう者、多いと思います。
感想を聞いたら聞かせてね~。
日本での公開は4月末だそうでーす。

投稿: ドシル | 2007.03.03 23:36

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