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2010.08.27

樺太 1945年夏 氷雪の門

36年前に5億円以上の製作費をかけて制作された「樺太 1945年夏 氷雪の門」という映画。
36年前には、ソ連の圧力により上映ができなかったと言われています。
36年の時間が経過し、残されていたフィルムが確認されこの夏、いくつかの映画館で上映されました。
戦争や命を考える8月にふさわしい作品です。

「氷雪の門」は、北海道稚内市の稚内公園に樺太で亡くなった方の慰霊碑として今も樺太(サハリン)が見える場所に建っています。
その横には、「九人の乙女の像」があります。
『樺太 1945年夏 氷雪の門』の主人公は、慰霊碑「九人の乙女の像」にある真岡郵便電信局事件で自決した9人の電話交換手です。

1945年8月15日に終戦したはずなのに、樺太に侵攻してきたソ連軍。
町は火の海になるものの、電話交換のために郵便局で交換業務をしていた電話交換手9名が、薬物などを用いて自決した悲しい物語です。
戦争はもう終わっているのに、彼女たちが亡くなったのは8月20日のことです。

私は北海道出身ですから、稚内で、「九人の乙女の像」も見たことがありますし、「北のひめゆり」と言われる彼女たちのことは子供のころから知っていました。
何年か前にドラマにもなり、それも見て感想も書いたと思います。

今回36年ぶりに上映された映画を見て思うことは、やはり戦争の不条理さです。
そして、この映画で36年前にソ連が圧力をかけて上映させなかったというのが納得できるほど、ソ連軍はひどいです。
白旗を上げていても、日本兵を銃殺するし逃げ惑う一般の人たちを飛行機から虫けらのように爆撃します。
その爆撃シーンは、目を覆いたくなるほどでした。

しかし、この作品はドキュメンタリーではなくあくまでも終戦後の樺太の様子と真岡郵便局事件をベースにしたフィクションであるため、違和感を覚えるシーンもありました。
そのせいか、私は作品に感情移入はできませんでした。

とはいえ、大空襲や原爆投下、沖縄の地上戦などと比べるとあまり知られていない終戦後の混乱の中で犠牲になった人々が、旧樺太にはいて、戦争は多くの家族のはかない幸せを奪い、悲しみばかりを残し、人を究極の精神状態へ追いやるということを如実に伝えている作品だと思います。

場内には年配の方が多くいらしていました。
20代、30代は2~3人でほとんどは65歳以上だろうなと思う男性が多くいらっしゃいました。
戦地へ行かれたほどご高齢ではないと思いますが、もしかしたら1945年に樺太から引き揚げてきた方もいらっしゃるのかもしれないな・・なんて思いながら客層を見ました。

こういう作品は、観終わった後になんとも言えないむなしさが残ります。
むなしさが残りますが、やはりしっかりと観て戦争を知らない私たちもそれを伝えていかなくちゃいけないように思っています。


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 【ネタバレ注意】  「原爆は是か非か、戦争は是か非か、軍事力は是か非か──。白か黒かの二分法の論理だけに議論が支配されている。」 ... [続きを読む]

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