『累犯障害者』
今さらながら「累犯障害者 」を読みました。
2006年の発売当時から話題になっていましたが、そのタイトルと本の重さで読む気になれないでいたのですが、読んだ方がのきなみ「絶対に読んだ方が良い」というので、いつかは読みたいと思っていました。
たまたま職場の図書室で文庫本になっているのを発見し、迷わず借りてきました^^;
文庫だと持ち運びが便利で、通勤時間に読むことができます☆
とはいえ、文庫本になったのは2009年ということで、すでに2年前でした。
表紙をめくり、目次にめを落とすとろう者がおこした事件が2件あるのが目につきました。
第4章 閉鎖社会の犯罪 - 浜松・ろうあ者不倫殺人事件
第5章 ろうあ者暴力団 - 「仲間」を狙いうちする障害者たち
まずは、上記のろう者関係の事件から読みはじめました。
ひとつは大きな事件だったので、私でも記憶に残っていましたが被疑者も被害者もろう者だったとは知りませんでした。
もう1件は私は知らない事件でした。
この作品は、ノンフィクションであり著者の山本譲司さんが以前、衆議院銀だった際に秘書給与流用の罪で収監された際、刑務所の中にいる様々な犯罪を犯した障害者との出逢いと関わりの中から感じたことや出所後に調べたことなどが書かれています。
軽度の知的障害者が、何度も罪を犯して刑務所へ戻って来る理由や障害者が犯罪者になってしまったとき、罪を償ってもその後の受け皿がない社会全体への問題提起など、テーマは重く、それぞれの事例はどれも考えさせられるものであり、正直、もっと早くに読めば良かったと思いました。
もし、ここをご覧の方でまだ読んでいらっしゃらない方がいらしたらぜひ一読を!
福祉に興味があるなしに関わらず、日本で暮らす全ての人がこの現実に目を向けるべきだと思いました。
この本を読んだからといって、自分に何が出来るのかと問われればたぶん何もできないだろうと思います。
でも、知らないままでいるよりは真実を知る方が良いと思いますし、今後裁判員になるかもしれないことを考えると、国民一人一人が本に書かれているような様々な背景を知ることで、何かを変えることができるかもしれないとも思っています。
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