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2012.06.02

『ろうあのよっちゃん苦闘物語 口話と手真似の狭間で 』

Rohano

ろうあのよっちゃん苦闘物語 口話と手真似の狭間で

この物語は、3歳の時に失聴した著者が自分の経験を元に書き記したフィクションということになっています。
多くは体験談なので、自叙伝に近い作品だと思いますが人の名前は実際の人物のお名前とは異なることや、幼い頃の記憶が曖昧なことから、想像して書いている部分も多々あるということで一応「創作物語」となっています。

主人公は「良夫」です。
戦前から戦後にかけて幼少期・少年期を過ごした良夫の半生が描かれています。
当時のろう教育は口話主義であり、手話は「手真似」と呼ばれ蔑まれていたいた時代です。
本書の中でも一貫して、「手真似」という表現を用いて、当時の様子を表現しています。

著者自身、同じ時代に幼少期を過ごし本書の主人公「良夫」とほぼ同様の境遇を辿ったわけですから、この本はろう者が日本語で書いた「私小説」とでも言えるのでしょうか。
平易な文体で書かれていて、一般的な小説とはまたちょっと違う印象ですが分かりやすいので聾史を知るひとつの資料として、若いろう者...特に、今は手話で教育を受けることができるので、「手真似」についてよく登場する年頃(中学生、高校生)くらいの聾学校在校生に読んで欲しい作品だなぁと、個人的に思いました。

こういった、戦前、戦中、戦後を生きたろう者のお話は貴重です。
書籍として残るのもありがたいですが、手話で語っていただけるのも良いですよね。
私は、この本の著者を存じ上げないのですが機会があれば手話語りで本書の内容を語っていただけたらなぁと思いました。

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