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2012.06.18

『ろう者から見た「多文化共生」』

6月10日に発売なったばかりの新刊のご紹介です。
執筆者のお一人に紹介していただき、発売と同時に購入して読みました。
興味深く面白い1冊です。

ろう者から見た「多文化共生」: もうひとつの言語的マイノリティ (シリーズ多文化・多言語主義の現在)

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興味深いのは、この本が「ココ出版」から発売になっていること。
「ココ出版」といえば多文化、多言語、日本語教育などのイメージ強い印象です。
タイトルに「多文化共生」とあるように、この本は手話とろう者を多角的な切り口で書いています。
福祉とは違う側面から見た、ろう者や手話という印象です。

そして、この本は一人の著者が執筆した書籍ではありません。
総勢13人がそれぞれの立場で執筆しています。具体的には、ろう者として、コーダとして手話通訳者として、ろう児の親として、手話言語学の研究者として、ろう教育ことについてろう教員からなどなど...。
執筆者には、ろう者も聴者も混在しています。そして編者である佐々木倫子氏によって、手話やろう者に関わる用語の解説も掲載されているので、一見固そうに見えますが手話学習初心者でもとっつきやすいのではないかと思います。

そして、編者が司会となってろう者3名の座談会が巻末に掲載されています。
このメンバーが非常にユニーク。
まずは、全日本ろうあ連盟の久松事務局長、そして世間的には全日ろう連と対抗していると考える方もいるかもしれないDプロの代表の川島さん。そしてもうお一方は、日本手話学会副会長の末森さん。
私はとてもバランスの良い人選だなぁと思いました。

戦前からろうあ運動を牽引してきた運動体として多くの実績がある連盟の代表者と、ろう者とは日本手話を話す言語的少数者(マイノリティ)だという見解から、日本手話やろう者が音声日本語や聴者と同等に尊重される社会を目指して活動しているDプロの代表者と、手話を言語学的に研究している日本手話学会の代表者の対談です。
皆さんろう者ですが、それぞれのフィールドで活躍されている方同士の座談会というのは、なかなか興味深いものです。

この本の表紙はろう者のイラストレーターが描いています。
執筆者、装丁デザイン、座談会などなどすべての関係者を合わせると聴者9人、ろう者9人と同数なのだそうです。(本書「はじめに」参照)

編者が最初からろう者と聴者のバランスまで考えていたのかどうかは分かりませんが、そういった部分までよくできているなぁと思ったのでした。
手話通訳者も手話学習者もろう者も難聴者も一度読んで、またそれぞれの立場で色々な意見が言えるといいなぁと思いました。

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コメント

ここを読んで 読んでみたくなり本をネット注文しました 1日でよんでしまわれたのでしょうか?難しそうな気がして 私には読むのに何日も時間かかりそうな・・ 

投稿: ひろろん | 2012.06.25 01:28

sunひろろんさん
お久しぶりです。
本を注文されたのですね(^^)
私は3日くらいで読み終えました。
1日中読書ができるわけではないので、自分のペースでのんびり読むと良いと思います(^^)

投稿: ドシル | 2012.06.25 08:30

本がとどきました~ でもまだ開いてません汗~ 
3日間で?はやいですね
ここで興味引かれてよんだ アフリカ文化の研究してて 手話通訳士さんで奥様がろうしゃの方の亀井さんの「手話の世界を訪ねよう」がすごくわかりやすかった。 

投稿: ひろろん | 2012.06.28 08:23

sunひろろんさん
「手話の世界を訪ねよう」は児童書だったので本当に分かりやすくて良い本でしたね〜。
今回の本は、専門的な内容に踏み込んでいるので難しい部分もありますが、ご自分の読みやすいところから読むと良いと思います(^^)

投稿: ドシル | 2012.06.28 23:07

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