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2013.07.20

手話の父、逝く

私の実父は、9年ほど前に突然、くも膜下出血で倒れそのまま意識が戻ることもなく10日後に亡くなりました。
実の父とはいえ、高校卒業後上京して進学しそのままこちらで就職した私は、父と離れて暮らしていることに慣れていて、亡くなった後も神奈川へ戻ってしまうと実感がなく、いつでも北海道の家には父がいるような気がしていました。

手話学習をしているなかで、恩師とも呼べるろう者が何人かいらっしゃるわけですがその中のお一人が旅立ったと、今朝連絡をもらいました。
ショックでした。私の父と同じ世代の方だったこともあり、離れて暮らしていた父と重なる部分があったように思います。
つい先日、入院先の病院へ呼ばれて出かけて来たばかりでした。
その日の朝、「今日中に来て。話したい」と連絡がありました。
今までにない呼び出しに、最悪のことが頭をよぎらないわけはありません。
それを打ち消して、病院へ行きいつものように軽口をたたきながら1時間ほど話しました。

「元気」とは言えない状態でした。
昔とは全く違う風貌でしたが、手話で話しができるくらいには動けました。
体温がなかなか上がらず、冷たくなっている足を何度もさすりながらどうでもいい話しや、手話サークルの話しをしました。

私がお世話になっているサークルは、昭和40年代後半から活動しています。
その設立当時から地元のろう協で活動していた方でした。
私だけではなく、多くのろう者や聴者から愛されている人でした。
多くの手話学習者が「手話の父」と思っていたことでしょう。

聞き取り通訳の練習の時や、色々な試験の時にはただカメラに向かって表現するのではなくカメラの向こうに特定のろう者を思い描いて表現するようにとアドバイスをもらうことが多いですが、私はよくこの方を思い描き、この方に通じるようにと表現してきました。

とっても優しくて、手話の指導は甘い面もあったけれど本当に本当に素敵なみんなのお父さんでした。
私、ちゃんとお礼言えたかな...。
後日執り行われるお通夜と告別式で、ちゃんとお礼を伝えたいと思います。
今はとても悲しくで泣けてしまうけれど、お別れの日はちゃんと笑顔で見送りたいです。
いつも笑顔だった方だから。

本当にお世話になりました。
いつか、私も他のサークルメンバーもそっちの世界へ行くのでその時にちゃんと顔向けできるように、今を生きたいと思っています。


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コメント

心よりお悔やみ申し上げます。
私も今年になって知り合いの ろう者お二人が亡くなりました。
高齢でサークルで顔を合わせる事も減っていましたが、
まだまだ元気でいらっしゃると思っていました。
様子を見にいこう・・・と思いながら、なかなか行かなかった事が悔やまれます。
手話のお父さんは病室でドシルさんと話が出来て嬉しかっただろうと思います。
淋しいけれど、きっと悲しい顔より元気で活躍しているドシルさんを天国から見ていたいって思ってるはずです。元気出してね。

投稿: みきぼう | 2013.07.30 14:47

☆みきぼうさん
ありがとう...。
少し時間が経って、日々に忙しさにかまけてるけどそれでも、やっぱり手話を使う時には顔が浮かびます。

みきぼうさんも、お知り合いのろう者とのお別れ辛かったでしょうね。

通訳者もろう者も高齢化だから、今後こういうお別れにまた遭遇しちゃうんだろうなとは思うけど、出来るだけ遠い未来がいいよね...。

投稿: ドシル | 2013.07.30 23:44

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