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2016.02.14

『明日の子供たち』

有川浩さんの作品『明日の子供たち』を読みました。
児童養護施設の物語で、この作品自体はもちろんフィクションですがたくさんの実際にあったエピソードが含まれているだろうことは容易に想像でききるお話です。

私は児童養護施設で生活したことも働いたこともありません。
それどころか、見学に行ったこともありません。
高校までで考えると、近くに児童養護施設はなかったのできっとクラスメイトに施設で暮らしているという子もいなかっただろうと思います。

そんなわけで、児童養護施設のイメージはまったく白紙な状態です。
ただ、私は手話やろう者に関わって暮らしているのでろうあ児施設だった金町学園は知っていました。
昨日の記事にも金町学園のことを書きましたが、私の中では児童養護施設のイメージは聞こえる子供だちの暮らす「金町学園」のようなところでした。
様々な事情で親と離れて暮らす子供ですが、「かわいそう」という思いはなくただ「親とはなれて暮らしている」ということだけで深く考えてもいませんでした。

作品の中に、児童養護施設を舞台にしたドラマを見て仕事をしたいと思ったという施設職員が出ています。
作品中ではちょっとタイトルが異なりますが、これは色々物議をかもした「明日、ママがいない」というドラマにヒントを得たものだと思います。
私はこのドラマを見ていませんが、児童養護施設からかなりのクレームが来たということは知っています。
そのドラマをみて「かわいそうな子たちを助けたい」と思って就職する人、いそうだなぁと思います。

手話の世界でも同様に、「聞こえない人を助けたいから手話を学びたい」という人が来て「ふ〜ん」...と、思うことがあります。
本人は熱く燃えているんですが、そこに違和感を覚えてしまいます。
きっと児童養護施設で暮らす方々が「かわいそう」と見られたくないというのも、そういう「上から目線」への違和感とか不快感なんだろうなと読みながら思いました。

この作品のどこまでが実際のことをモデルにしているのかわかりません。
でも、最後に作中に出てくる施設に入所している女子高生の手紙について書いた方のお名前が協力者として出てきます。
このことから、その方が有川浩さんに手紙を出したことでできた作品なのかなと思っています。
また、作中にでてくる「サロン・ド・日だまり」のモデルは私が知る範囲では「サロン・ド・ソワレ」だろうと思って読んでいました。
実際はどうだったか分かりませんが、当時の橋下市長が仕分けで大阪市が予算削減しそうな感じもしていまいます...。

そんな風に、自分が知っている範囲の情報と合わせてフィクションとノンフィクションの狭間で読んだ1冊です。
とても印象深く、そして有川浩さんならではの流れに引込まれ分厚いんですが一気に読んでしまいました。
できたら、映画化かドラマ化して欲しいです。
それによって児童養護施設への偏見がなくなるといいなと思います。

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